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わかっちゃいるけど、やめられない

大震災後の自粛ムードについて、どう思いますかというアンケート結果。
自粛すべきだと思うイベントの第1位は「選挙活動の街宣車の利用中止」。自粛は適切60%、自粛はやむをえない23%で、合計83%が自粛すべきと答えている。
これだけ見ると「やっぱりか・・・」と思うが、この調査は「iPhoneアプリを使った調査で、10〜60代の男女723人が回答。調査期間は3月24日〜25日」。そもそも“iPhoneアプリを使った”という時点でかなり限定されているユーザーのため、基本的には「街宣車自体ない方が良い」と思っている方が多いのではないかと思われる。
これが選挙や政治活動などを一生懸命している50〜80代の男性となると、まずこういった結果にはならないだろう。
非常に評判が悪い街宣車だが、候補者が使ってしまう理由は3つあると推測される。

1、公職選挙法。
“文書図画の掲示”では、選挙期間中自分の名前を書けるのは、事務所の看板(立札)、個人演説会などの提灯の他は自動車または船舶に取り付ける看板だけとなっている。つまり自転車や徒歩では自分の名前は出せない(承認を得たタスキは除く)。
また、「何人も、第141条 (自動車、船舶及び拡声機の使用) の規定により選挙運動のために使用される自動車の上においては、選挙運動をすることができない。ただし、停止した自動車の上において選挙運動のための演説をすること及び第140条の2第1項 (連呼行為の禁止) ただし書の規定により自動車の上において選挙運動のための連呼行為をすることは、この限りでない」。でそのただし書には「第140条の2 何人も、選挙運動のため、連呼行為をすることができない。ただし、演説会場及び街頭演説(演説を含む。)の場所においてする場合並びに午前8時から午後8時までの間に限り、次条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上においてする場合は、この限りでない。」と書いてある。
わかりづらい。簡単に言えば、「連呼行為はダメ。停止した自動車・船舶でなら演説しても良い。停止しない場合、演説はダメだけれども、午前8時から午後8時までの間連呼行為だけ例外として認めます」…そんなのアリ?おかしくないか?
また「候補者間の選挙運動の機会均等」…お金持っている人でもそうでない俺のようなぽっと出のサラリーマンでも選挙に出られるチャンスを公平にしましょうと言うことで、掲示板に貼るポスター、法定ハガキの送料(印刷代は除外・数量は選挙により決まっている)、そして選挙運動用自動車の経費が公費補助の対象となる。「自動車」だけが対象なので、ノボリを取り付けた自転車は、名前も書けないし、補助の対象にもならない。
どうせなら一律いくらまで負担。その中でうまく考えてねみたいな補助なら、いろんな知恵を絞ってやれて良いのにね。掲示板に貼るポスターはわかる(それないと、一切告知できなくなるからね)けど、ハガキの送料とか選挙カーの費用を一部とは言え負担しますよって、なんだかそぐわないよね。

2、街宣車に苦情がつきものなのだが、「うるさい」という苦情よりも、政治活動を一生懸命やってくれている人達から「一生懸命廻っているのに、うちのところに街宣車が廻ってこない」という苦情の方が多いという事実。そして使わなかったからと言って「静かで良いから投票した」なんて言うことにはならないと言うこと(マイナス票とプラス票の合計で当落が決まるシステムなら別だが、いくら印象が悪くても投票してくれる人がいれば1は1。マイナスの印象でも0は0。)

3、特に市町村議会や県議会ぐらいの場合(国政は別もの)、全員の政策・何をやりたいかを並べて考えるのではなく、結局「知り合いだから」「誰それに頼まれたから」「聞いた事ある名前だから」というような動機での投票が多い。

そんな風に私は考えております。
このブログを読んで頂いている方は、日常的にネットに触れている、情報などに対して意識の高い方が多いと思いますので、「そんな事はない」という方もいらっしゃると思います。私もそう思っていましたが、動いてみて実感しました。名前と略歴だけが書かれた名刺・カードを持って支持者の方に挨拶に廻っている方がほとんどで、「どんな事をしたい」という訴えってあんまりないんだなぁと。
「若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!? 」なんていう本(政治は選挙に行く年配の方を中心に動いており、選挙に行かない若い世代の意見は尊重されないので損をしているというような話)があります。寒河江市の前回の選挙では、20代の投票率は約40%、60代の投票率は約90%(県議会議員・市議会議員とも。市長選・県知事選もほぼ同様の結果)なので、結局60歳代の方がどう動くか?どう思うか?が中心となっているのは事実だと思います。

何が正解で何が不正解かは終わった後にしかわからず、しかもリトライするには4年後なので「なんだかんだ言っても後の祭り」。だからどうしても「わかっちゃいるけどやめられない」というのが、結局先日投票が行われた上山市議会議員選挙でも「最後は街宣車を使う候補が多かった」という結果になるんでしょうね。
by pattu | 2011-03-29 08:45 | ヤバイ!事件です。


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